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基本の扶助⑩ 真っ直ぐな運動編【~馬にたずさわる人全てが調教者~36】

2019/8/1

 

直線上で真っ直ぐな運動は当然、騎手も左右均等でなければなりません。
真っ直ぐに馬を運動させるためには馬が後肢を左右均等に踏み込むように推進していること、

真っ直ぐハミに出た力を左右均等に受け止めた上で進路をしっかり想定し歩くラインを決めて歩かせる必要があります。


他に一般的な運動では直線上での停止です。
停止はただ真っ直ぐにしても4肢を揃えた行儀の良い正しく美しい停止にはなりません。
前を止める壁と減却の完成度、更に動作のタイミングが大きく影響します。

 

また後退も壁と後方推進の完成度による後肢の左右均等な踏みこみによる馬体の真直性が作れなければ真っ直ぐな後退にはなりません。
元々真っ直ぐな馬はまずいません。騎手が繰り返し意識して行うことで馬も意識するようになるのです。
真っ直ぐと言うことはとても難しい運動です。
焦らずに何回も、しっかり確実に出来るようになるまで繰り返し行ってください。


しかしその他の運動はほとんどが左右どちらかの内方姿勢が根幹の姿勢として存在していなければ成りません。
内方姿勢と言っても騎手はただいつものワンパターンの形や構えをして推進さえすれば良いという訳ではありません。
それぞれの運動により僅に形が、構えが、動作が、力加減が微妙に違うのです。
3種の歩法を要求しながら色々な図形を正確に描くためには騎手も常に正確な扶助を馬に伝えながら運動しなければなりません。


では、馬で実践してみましょう。


さあ、あなたは馬にまたがりました。
「手綱を取って」「構えをきめて」「しっかり座って」「脚を強く推進して」と手順を踏んで正しくやってるのにと言っても、馬はあなたが思う通りには動いてくれないでしょう。
発進動作で馬は騎手が要求する運動の質を感じ取ります。手綱をたるませたまま緩い前方推進であれば馬ものんびり散歩気分で動き出します。先ずは、このリラックスした心身状態のなかでじっくり常歩、大きく軽速歩、力みのない駈歩と3種の歩法を要求しながら徐々にエンジンである後躯を躍動させて行きます。


狭い馬房でじっとしていた身体にいきなり動けと言って蹴飛ばしたり、鞭で叩いて無理矢理動かした所で興奮して前躯だけを派手に動かす硬く、馬にとって苦しい動きだけで終わってしまいます。


あくまでも徐々にです。


令和元年8月
長谷川 雄二

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