馬の尻尾の役割
馬の尻尾の役割は?
馬の尻尾といえば、長くてまっすぐでエレガントな印象を持っている人も多いと思います。
風になびいていたりすると、さらに美しくみえます。
しかし馬の尻尾は美しいだけではなく、実は重要な役割を持っています。
どんな役割を持っているか、ご存知ですか?
虫を追い払うため
ヒュンっ!ヒュンっ!馬が尻尾を振るとこんな音がします。
ヒュンっ!バチっ!痛ったー!!
・・蹄や肢のお手入れ中、近くにいる人間なんてお構いなしに尻尾が暴れ、尻尾が顔や腕に当たるとこんな反応になります。でも怒らない、怒らない。
馬が尻尾を振るのにはわけがあります。
それはハエやアブなどの虫が体に付かないようにするためです。
馬は虫に刺されることで病気になってしまうことがあります。そのため、長い尻尾を縦横無尽にヒュンっ!ヒュンっ!と振り回しているのです。
尻尾が届かないところは皮膚をブルブルっと震わせて追い払っています。
「それなら尻尾に頼らず、身体全体の皮膚をブルブルさせてくれたらいいのに」と思うかもしれません。
それが不思議なことに、尻尾が届く部分は皮膚を震わせることができないのです。
感情を表現するため
よくペットの犬や猫の感情は尻尾をみればわかるといわれますが、馬も同じで感情が尻尾に表れます。
しかし、同じように尻尾を動かしていても、動物によって感情が違うので注意が必要です。
例えば、左右に尻尾を振っているとき、犬は「かまって〜」とアピールしていますが、馬の場合は先ほど説明したように「虫、あっちいって〜」と虫を追い払っているのです。
他にも馬が尻尾で表す感情についてみてみましょう。
例えば尻尾を高く上げているときがあります。これは気分がいいときや興奮しているときです。気持ちの高ぶりが尻尾にも表れています。
また、尻尾を左右の後肢の中に巻き込んでいることがあります。これは不安や恐怖を感じているときなので、接し方に注意してあげましょう。
このように馬の尻尾を見てみると感情がわかるので、ぜひ注意してみてください。
馬の尻尾もお手入れが必要!
サラサラで長い尻尾は馬の凛として美しい姿をさらに際立たせます。
そんな馬の尻尾、実はお手入れの賜物なんです。
もし馬の尻尾のお手入れを怠ってそのままにしていたらどうなるでしょう。
汚れが溜まるのはもちろん、バサバサになったり、傷んでしまいます。人間の髪の毛と同じですね。
ここからは具体的なお手入れの仕方を紹介します。
ブラッシング、シャンプー&ケアで清潔に
最初に尻尾についている牧草や大きなゴミを取り除きます。
そのあとブラッシングをして砂やほこりをとっていきます。ブラッシング方法は人間と同じように毛先から少しずつ上に上げていきます。
それが出来たら水洗いをしてシャンプーの時間です。
人間の髪の毛と馬の尻尾の毛を触り比べてみると分かりますが、全く毛の質が違います。
馬には馬専用のシャンプーがあるのでそちらを使いましょう。
汚れや雑菌と一緒に皮膚表面の油分も落ちすぎてしまうので、尻尾の根元まで洗わずに汚れが気になる時だけぬるめのお湯でシャンプーしましょう。
シャンプーのあとはすすいで乾かします。
一頭一頭、毛の量やクセ、生え方の向きも違います。しっかり生え際まで乾かしてあげることが大切です。
最後は艶出しのスプレーで整えます。
もし、抜け毛や切れ毛が気になる場合は、馬専用の栄養クリームもあるのでそちらを使ってみるのもおすすめです。
カットは定期的に
馬の尻尾は放っておくとどんどん伸びていきます。
そのまま放置しておくと、とんでもなく絡み合ってしまい美しくありません。
人間の男性が散髪や髭剃りをして身だしなみを整えるように、馬の尻尾も定期的にカットをする必要があります。
尻尾が垂れ下がった状態で球節にかかるぐらいの長さを目安に、こまめに切ってあげましょう。
ここで「短めに切っておこうかな」と思っても限度を忘れないでください。
馬の尻尾は虫を追い払う役目もあります。短く切りすぎると虫を追い払えなくなってしまいます。
では、早速カットを。しかし馬の世界には残念ながらプロの床屋さんはいません。自分たちでカットをしてあげます。
それには馬を落ち着かせながら、尻尾を片手で持ち上げ、もう一方の手でカットするという、ちょっと難しいスキルが必要になります。
慣れるまでは経験者と一緒にやるようにしましょう。
また、乗馬クラブの馬の尻尾を勝手にカットしてしまうとトラブルにつながる恐れもあります。
必ずスタッフに確認してからにしましょう。
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馬の尻尾を編み込んだり装飾する理由は?
乗馬の競技会やホースショーなどで、尻尾を編み込んでいる馬を見かけたことはありませんか?
きれいな編み込みや装飾は、馬を美しく見せるために行われています。
競技会やホースショーに出場する際、人間は正装が求められます。
そこでパートナーの馬のたてがみや尻尾を編み込みをすることで、より一層美しさを引き出し、良い印象を残す目的があります。
編み込みのほかにも、お団子やカラーリボンを一緒に編み込むなどオシャレの幅は広くなっていて、馬に合わせてかわいくみせたり、スタイリッシュにみせたり、優雅に見せたりすることもできます。
また競技会前などに、人間と馬が触れ合いながらスタイルを整えていく時間は、コミュニケーションも取れて、心を合わせる時間になります。
尻尾につけるリボンはかわいさのためではない
尻尾に赤いリボンをつけている馬を見たことはありませんか。このリボンは一見かわいく見えますが、オシャレのためではありません。周りにあることを知らせるための印なんです。
何を知らせるための印なのか。それは、「蹴癖(しゅうへき)がある馬」という印なのです。
どんな馬でも不安や恐怖から蹴ることはありますが、蹴癖がある馬はたいていの馬が蹴らない状況でも蹴ってしまう馬です。
そのため、尻尾に赤いリボンが付いている馬には周りが注意する必要があります。蹴癖を矯正することも大切ですが、まずは人間も馬も怪我がないように気を付けることが大切です。
具体的には、馬の後を歩かないのはもちろん、もし歩く必要があるときにはその馬から十分に間隔をあけましょう。
まとめ
馬の尻尾はただ優雅に風になびいているだけではありません。
ときには虫たちを追い払い、ときには感情を伝え、ときにはオシャレをアピールする場所になります。
そんな馬の尻尾を適切にケアしてあげることも大切です。そして何より、注意深く観察することによって、馬の理解を深めることにも役立ちます。
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