かわいい馬の赤ちゃん。仔馬の成長や妊娠期間についてご紹介!
とってもかわいい!馬の赤ちゃん
仔馬の誕生やはじめて立ち上がる瞬間などはテレビで見る機会がありますが、乗馬をしている方でも仔馬を生で見たことある方は意外と少ないはず。
今回は仔馬がどのように生まれて、どのように成長していくのか、また放牧の必要性についてもみていきましょう。
馬はどのように誕生し、どう成長していく?
みなさんは人間の赤ちゃんがどのように生まれて、赤ちゃんから幼児になり、そして子供から大人へと成長していくか、過程がなんとなくわかるかと思います。
家で犬や猫などのペットを飼っていれば、そのペットも間近で見ながら成長がわかると思います。
しかし、馬はどうでしょう。
仔馬がどのようにして生まれ、育っていくのか、知ることはなかなかないですよね。
ここでは母馬の妊娠期間から仔馬の誕生、体重が100㎏になるまでの成長を説明します。
馬の妊娠期間はどれくらい?
馬は犬や猫と同じく哺乳類ですが、一度に出産するのは1頭だけです。双子を出産することは稀です。
妊娠期間は330〜340日といわれています。人間は280日(40週)なので人間に比べて馬は少しだけ長いですね。
馬は春から初夏にかけて妊娠し、翌年の春から初夏にかけて出産します。
この時期に出産することで、生まれたての仔馬は厳しい暑さや寒さにさらされずにすみ、また餌が豊富な時期でもあるため仔馬にとって成長がしやすくなります。
誕生時の仔馬の体重は?
人間の誕生時の平均体重は、2,500g以上4,000g未満が正常範囲といわれています。
それでは仔馬の誕生時の体重はどれくらいだと思いますか?
ちなみに競走馬や乗馬クラブにいるサラブレットの平均体重は450〜500㎏です。
そんな母馬から生まれる仔馬の誕生時の平均体重は50〜60㎏です。つまり人間の大人ほどの体重です。
母馬に寄り添う可愛らしい仔馬、実際は大きいことに驚きませんか。
誕生から立ち上がるまでどれくらいかかる?
馬は生まれてすぐに立ち上がり、歩けるようになるというお話を聞いたことがある方も多いと思います。
「生まれてすぐに」といっても、いったいどれくらいでしょう。答えは1〜2時間です。
人間の赤ちゃんは、平均生後9〜11ヶ月で立つようになり、1歳前後で歩けるようになります。
馬と人間、比較してみると驚異的な早さですよね。
それでは、なぜ馬はそんなに早く立って、歩けるようになるのでしょうか?
実はこんなに早く立つようになるのは馬だけではありません。牛やヤギなども同じです。
馬・牛・ヤギなどの草食動物は、いつ肉食動物から狙われるかわかりません。
また肉食動物から襲われたときに逃げられなかったら殺されてしまいます。
そのため、少しでも早く自分で立って逃げられるようになる必要があるわけです。
また、馬は妊娠期間が長いため、お腹の中で歩く練習もしているようです。
生まれた途端、危険と隣り合わせの世界。準備も万全なようです。
このように見てみると人間は1年前後という長い期間をかけて歩き出し、草食動物とのあまりの違いに驚くかもしれません。
人間は進化の過程で二足歩行で歩けるように骨盤が発達しました。
しかし大きな骨盤が邪魔をして産道が通れません。そのため二足歩行ができない未熟な状態で生まれてくるのです。
そして生まれてきてから、自分で立って歩けるようになるまで時間がかかるようです。
誕生してから体重が100kgに達するまでは何ヶ月?
馬の成長は、特に3歳までが早いといわれており、人間に換算すると馬の2歳は人間の12歳、馬の3歳は人間の17歳といわれています。
そんな馬たちですが、競走馬の世界では2歳になるとレースに出場できるようになり、4〜6歳が全盛期といわれています。
あんなに力強く、速く走れる馬がそんなに幼いなんて驚きませんか。
馬は生まれたときに約50㎏、ではその倍の100㎏になるのにどれくらいかかるでしょう。
それは僅か1ヶ月です。本当に仔馬の成長は早いですね!
仔馬には放牧が必要!
仔馬の成長には目を見張るものがあります。
生まれて数時間後に立てるようになると母乳を飲み始めますが、生後10日〜2ヶ月で牧草や固形の飼料を食べ始めます。
その後、離乳とともに親離れをして自立していきます。
そして、自立をするために必要なのが放牧です。
放牧によって仔馬はたくさんのことを習得します。具体的なものとして3つを詳しくみていきましょう。
運動量を確保して体力づくり
人間の子供でもずっと家にいるよりも、散歩に出かけたり、公園で遊んだりと、外遊びが好きですよね。
そして外で遊ぶことにより、運動機能が向上したり、体力がついたりします。
仔馬もずっと馬房の中で過ごしていると運動不足になりますし、体力がつきません。
しかし、まだ調教が始まっていない仔馬を人間が運動させるのは大変です。
その点放牧場では、馬たちが競争するように自由に走り回っているだけで運動になるので体力づくりにも効果的です。
また、このような運動は人間が運動させるよりも筋肉や関節をよく使い、骨や腱も丈夫にします。
仔馬の時期にこのように放牧をしておくと基礎体力が付き骨や関節も強くなるため、調教が始まったときに身体の負担が少なく済み、怪我もしにくくなるのです。
群れに慣れる・社会性を身につける
仔馬に放牧が必要な理由の二つ目に、群れに馴れる・群れへの順応があります。
普段、人間に飼育・管理されている馬も放牧の時間は群れで生活する時間です。
群れで生活することで他の馬にも馴れ、社会性も身につきます。
群れへの順応性がない馬は、仮に競走馬として高い能力があったとしても、レース中に他の馬から受けるストレスで力が発揮できないこともあります。
また、競走馬だけでなく乗用馬としても、他の馬と仲良くやれない馬は部班運動などが難しくなります。
このようにたとえ人間に飼育・管理されている馬でも馬の世界で社会性を高めることは重要なのです。
ストレス解消
人間も外で太陽の光を浴びながら、自由に遊んだり、芝生に寝転がってみるとリラックスできたり、幸せな気分になると思います。
馬も馬同士で追いかけっこを楽しんだり、青草の上で寝そべっている様子をみると楽しそうであり、気持ちよさそうです。
このように放牧は馬にとってのリラックスタイムになったり、ストレス解消の場にもなっているようです。
まとめ
馬の赤ちゃんは母馬のお腹の中で330〜340日間を過ごします。
そして生まれてくると数時間で歩けるようになり、母乳を飲み始めます。
母乳と平行して牧草や飼料を食べるようになり、放牧され他の馬たちと一緒に過ごします。
この放牧は仔馬にとって体力づくり・社会性の育成・ストレス解消に効果的です。
人間に飼育・管理されている馬でも、馬社会での生活も重要なんですね。
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