乗馬用品・馬具&ライフスタイル JODHPURS (ジョッパーズ)

馬術入門(31)【~馬にたずさわる人全てが調教者~89】

長谷川雄二

2024/2/10

前回の扶助で楽に3mの円を正しく描けるようになったら、まずは蹄跡上で3mの巻き乗りをします。

何回か同じ円を描いて力の入っていない状態で綺麗な巻き乗りができたら、蹄跡に戻る時に肩内に入ります。

外方側の脚と肘の壁をしっかり意識して外方の拳をわずかに開くように手の平を上にして蹄跡の直線に入るタイミングで小さく進行方向を示すように使います。

内方脚は、3mの巻き乗りで後肢を外方側に踏み込ますように踵を強く使っていたそのままの使用状態です。

推進の方向はあくまでもハミに真っ直ぐ押し出していなければなりません。

内方脚の使用により後肢の踏み込む方向を進行方向と一致させます。

内方の肘で馬の頭を進行方向に対し30°の方向に向けます。

内方の顎を譲っているか確認して下さい。

突っ張りがあるようなら手の平を上に向けるように使用してほぐして下さい。

馬体が真っ直ぐで直線上を30°の角度で2.3歩進んだら推進と脚の指示は、継続しながら、それ以外は、そのままの位置と構えで全ての力を抜き軽いコンタクトで楽にしてあげます。

これで姿勢を保ちながら硬くならずにしっかりと動いてくれます。

 

次に、この30°の肩内が左右安定してできるようになったら同じ直線上で60°の姿勢を作ります。

その為には、内方の肘をわずかに引き脇を閉じながら内方脚を強く使います。

その時馬が前に踏み出そうとするのを阻止できるように両肘で壁を作れまるように構えておきます。

首だけが向いてしまうようなら外方の脇を閉じながら肘を身体ごと止めるようにして馬体を真っ直ぐに保って下さい。

あくまでも脚で姿勢を作ります。

60°の姿勢ができたら30°の時と同様に2.3歩進んだ時点で馬が前に進もうとするのを阻止できるだけの壁を意識して、人馬の状態をそのまま、騎手は拳や上体がけしてふらつかないように同じ位置と姿勢で脇、肘、拳の力を抜きます。

坐骨は馬が真っ直ぐハミに出るように推進します。

外方脚は、フクラハギを馬体にしっかり着けたまま股関節、膝、足首を下方へ踏み下げて壁を作ります。

内方脚は、鞍の後橋ラインより前に位置し、膝だけを踏み下げながらつま先を上げた状態で踵を馬体に強く押し当て内方後肢を進行方向にしっかり踏み込ませます。

馬が姿勢を崩すことなくスムーズに4.5歩でも動けるようならほぼ完成です。

 

先ずは、常歩で2〜4歩力を使わずにできるまで焦らずに自身の姿勢を正確に作れるように努力して下さい。

 

令和6年2月

      長谷川 雄二

このページをシェアする

CATEGORY

最近チェックした商品

MAIL MAGAZINEメルマガ登録

トップに戻る