馬術で行う『敬礼』について
馬術競技をテレビや現地で見るとき、華麗で優雅な演技や障害を飛び越えるダイナミックなジャンプに目を奪われることがあると思います。
しかし、競技はそこだけではありません。入場や敬礼なども審査されているのです。
今回は馬術で行われる「敬礼」について紹介します。
この記事で分かること
・敬礼の仕方をご紹介
・馬術競技で敬礼を忘れると失格って本当?
敬礼を行う意味は?
馬術競技は人馬が一体となり障害を越えていく「障害馬術」、演技の正確さや美しさを競う「馬場馬術」、障害馬術と馬場馬術が含まれている「総合馬術」があります。
それぞれルールが違いますし、競技会や大会によってルールが変わってくることがありますが、どの大会でも「敬礼」をすることになっています。
普段私たちの生活では会釈やお辞儀をすることがあっても敬礼をする機会はあまりありませんよね。
馬術で敬礼をするということに、どのような意味があるのでしょう。
敬礼といえば軍隊を想像する人も多いのではないでしょうか。
敬礼は相手に敬意を表す行動で、一般的に下位の人が上位の人に対して行うものです。
そして、上位の人が敬礼を受けて答礼(とうれい)を行います。
また、敬礼は同位の人同士でもお互いに行います。
この「相手に敬意を示す」という意味で、公益社団法人日本馬術連盟は、各選手が主審に対して敬礼を行うことをルールとしています。
しかし、国家元首が臨席している場合や特別な来賓がある場合は、組織委員会が審判長の了承を得て、敬礼は国家元首や来賓に対して行うように出場選手に指示することがあります。
普段やりなれない敬礼ですが、馬術ではどのようにやるのでしょうか。
詳しくみてみましょう。
敬礼の仕方をご紹介
乗馬で敬礼をするときにはいくつかポイントがあります。
選手は敬礼をする際に片手に手綱をとります。
そして軍隊などでする敬礼の仕方もありますが、乗馬では右手を斜め下に下げる敬礼をすることが多いようです。
いずれにしても敬礼の時には、馬も動かずにお行儀よく立っていなければいけません。
また、手綱を片手にまとめる際、持っている鞭を結果的に振り回してしまい、馬を驚かせてしまうことがあります。
鞭にも注意しましょう。
馬術競技で敬礼を忘れると失格って本当?
相手に敬意を表すための敬礼。
馬術で敬礼を忘れてしまうと失格や減点などのペナルティがあるという話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
実際、敬礼の仕方が定められているように、敬礼も審査項目に入っています。
そして、日本馬術連盟の規定によると競技場審判団は敬礼を怠った選手に対して、走行開始を拒否することができるとされています。
更に競技場審判団は当該選手に罰金を科すこともあるようです。
緊張を伴う大舞台で敬礼を怠ると走行できないこともあるため、注意が必要です。
その他の馬術競技のルール
馬術競技のルールは敬礼の他にもたくさんあります。
例えば一番目につく服装もルールが決められているのです。
しかし、服装も昨年までは許可されていた色が今年は禁止されているという事があったり、競技内容によって違いがあるため、毎回確認が必要です。
具体的には日本馬術連盟競技会関連規定に記載されており、障害馬術に出場する際には、長靴、白 または淡黄褐色の乗馬ズボン、長袖あるいは半袖シャツ、白いタイあるいはチョーカーを着用 しなければならないとされています。
またシャツは白い襟(カラー)付きでなければならなず、長袖シャツの場合 は白い袖口が付いてなければならないと細かく決められています。
なお、ヘッドギアについても、騎乗中はいかなる者も常に乗馬競技用ヘッドギアを適正に着用することが義務づけられています。
一方、馬場馬術に出場する際の服装については、黒または濃紺のじょうらん(もしくは燕尾服)、長靴、白もしくはオフホワイトの乗馬ズボン、白の競技用シャツ・白のアスコットタイ、タイピン、白の手袋(グローブ)と決められています。
また、人間の服装にルールがあるように馬が着用する馬装の装具についても同規定により決められているため、そちらのチェックも重要です。
そして「障害馬術」「馬場馬術」では競技内容が違うため、採点ルールも違います。
採点ルール、つまり審判が審査する基準を知っておくと、競技会をより理解することができ、より楽しく応援することができるため採点ルールについても紹介します。
「障害馬術」は規定タイム内に、設置された障害物を決められた順番に飛び越え、走行する競技です。
時間超過、障害物の落下などが減点の対象となり、減点の少ない人馬が上位となります。
そのため、タイムを気にしながら障害物を落とさないように慎重に飛び越えていく競技です。
そして「馬場馬術」は馬の演技の正確さや美しさを競う規定演技と、必須の要素を取り入れ、音楽に合わせて演技する自由演技があります。
競技中に経路違反などがあるとペナルティとして減点されます。
まとめ
馬術というと人馬が一体となり繰り広げる大きな動きに注目しがちですが、静かに止まり、主審に対して敬意を示す敬礼も注目の一つです。
敬礼を怠ってしまうと減点されたり、走行開始を拒否されたり、罰金を科されることもあります。
敬礼の他にも馬術で注意が必要なルールはたくさんあります。
実際に競技会に出場する際には注意が必要ですし、またルールを知って応援をするとさらに乗馬の楽しさが感じられるのではないでしょうか。
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