乗馬クラブの仕事内容をご紹介!必要な資格や乗馬クラブに向いている人とは?
乗馬クラブに通いはじめると、乗馬クラブでのお仕事に興味を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、乗馬クラブでの仕事内容をご紹介します。
乗馬クラブのスタッフは馬に関する業務以外にも、実は多岐にわたる業務をこなしているんですよ。乗馬クラブへの就職や転職を考えている方、必見です!
この記事で分かること
・インストラクターに必要なライセンス
・乗馬クラブでの仕事に向いている人
乗馬クラブの仕事内容の一例
ではまず、乗馬クラブでのお仕事内容を大きく3つに分けてご紹介します。
馬の健康管理
乗馬クラブのお仕事として、最初に思い浮かぶのは馬の健康管理ではないでしょうか。
クラブの利用者さんのパートナーとして頑張ってくれる馬たちの健康管理なくして、乗馬クラブは成り立ちません。
健康管理と一口に言っても、あらゆる作業に関係しています。
代表的なものを以下にあげてみました。
・体調やケガがないかのチェック
・ワクチンの投与や投薬、削蹄の管理
・給餌
・運動
体調のチェックについては、朝一番で熱を測ったりボロの様子から判断し、異常があれば獣医師に引き継ぎます。
これからの暑くなってくる時期は熱中症等の危険性もあり、仕事の前後など細やかに馬の状態を確認する必要があります。
放牧地では、仲間と元気に走り回り負傷することがあるので、集牧後には手入れをしながら怪我がないかを確認。
つまり、熱を測る、馬房掃除、運動後の観察(馬装解除しながらかもしれません)、放牧後の手入れなど、体調をチェックするために必要な作業自体が複数にわたります。
特に給餌は健康状態を測るバロメーター。
いつも食べている餌を残している場合、たまたまなのか、何か健康上の問題があるのか、など複数の情報を総合的に判断する必要があります。
また、季節によって配合を変えたり、食欲の細い馬には嗜好性を配慮したり、いつもどおりに同じ餌をあげればいいというわけではないようです。
日本の乗馬クラブに多いサラブレッド種は馬の品種の中でも特に繊細だと言われていますので、健康管理には細やかな気配りや豊かな経験が必要です。
ほかにも、ワクチン接種や投薬、削蹄を適切に行って、馬体や四肢、蹄を健康に保たなくてはなりません。
体の大きさや個体差があるので、1頭1頭きちんと観察・管理をする必要があります。
馬を健康に保つためには一定の運動量も必要です。
年齢や仕事としてこなした鞍数なども考慮しながら、適切に馬を運動させて運動不足にならないように務めることも健康管理には重要です。
厩舎の管理
厩舎の管理も重要な仕事の一つです。
毎日行うのは寝ワラあげと呼ばれる馬房掃除です。
馬が排泄をする時もその馬によって癖があるそうです。
例えば、必ず同じところにしか排泄しない馬もいます。
そういう馬が一か所に排泄しない場合は何かがあるのかもしれないと気づくきっかけになります。
またいつものボロと質が違う場合も同様です。
厩舎をきれいに保つことは衛生面だけでなく、馬の健康管理にも役立つ大切な仕事です。
また、馬房内で何かが壊れた場合なども馬が怪我をする可能性があるので、早急に対応する必要があります。
馬房以外の通路や洗い場なども、馬の健康にはもちろん、クラブ利用者の安全や健康のためにもきちんと管理する必要があります。
クラブ利用者への接客
馬の管理に目線がいきがちではありますが、クラブ利用者への接客はとっても大切な仕事です。
まずは安全な騎乗を優先しつつ、利用者さんたちの希望や目標を聞いて、今の課題点を解決するようなレッスンをする必要があります。
さらに乗り手の技量や馬との相性なども見極めて、適切な配馬もしなくてはなりません。
難しいのは、乗馬はすぐに目に見えて上達するスポーツではないこと。
インストラクターから見ると、少しずつよくなっていると思っても、本人はそれを実感しづらいですよね。
改善する部分だけではなく、よくなっている部分を言語化して利用者に伝えることも大切です。
さらに、乗馬は体で覚える感覚的な部分が多く、なかなか言葉では伝えづらいことも。
体で理解してもらうために練習方法も利用者ごとに工夫をしなくてはなりません。
乗馬クラブで働くために必要な資格は?
クラブにもよりますが、中途採用の場合はライセンスを所有していることが求められることが多いでしょう。
ライセンスによって、一定の騎乗技術、指導技術、経験、知識が認められるためです。
新卒採用である場合は働きながら取得を目指すことができるクラブもあるようです。
また、ライセンスの取得ができるカリキュラムを組んでいる専門学校もあります。
乗馬インストラクターのライセンスには以下の3種類があります。
・全国乗馬倶楽部振興協会 乗馬指導者資格
・日本馬術連盟認定 指導員
・日本スポーツ協会公認馬術コーチ
「全国乗馬倶楽部振興協会 乗馬指導者資格」は一番メジャーな資格ではないでしょうか。
初級、中級、上級とあり、級が上がるにつれて難易度もあがり、取得後にできることも増えていきます。
講習を受講したのち、実技、筆記、面接を経て取得。
まずは初級から受験する必要があります。
「日本馬術連盟認定 指導員」はインストラクター向けの資格というより、「日本スポーツ協会公認馬術コーチ」を取得するために必要な資格という意味合いが強く、この資格だけで指導をできることはあまりないようです。
「日本スポーツ協会公認馬術コーチ」にはコーチ1とコーチ3の2種類のライセンスがあります。
コーチ3ではコーチ1で指導可能な学生の部活、少年団や乗馬クラブでの初心者への指導に加えて、国際選手の強化やコーチングなど馬術選手への指導が可能になります。
関連記事:乗馬ライセンスについて
乗馬クラブに向いているのはこんな人!
乗馬クラブで働くことに向いているのは、何よりまず第一に馬が好きなこと!
誰でも、馬が好きで楽しそうに乗っているインストラクターに指導をしてもらいたいはず。
もちろんその上で、馬にしっかり乗れる技術は非常に重要になります。
また、利用者にはさまざまなレベルの人がいますが、その乗り手に合わせた馬を調整したり、馬の健康状態をきちんと把握する馬の管理を徹底できるのは強みになるでしょう。
そして、できれば人間も好きな方がいいのかもしれません。
この仕事では、馬や人とのコミュニケーション能力がかなり問われることになります。
まとめ
今回は乗馬クラブに転職や就職を考えている方に向けて、仕事内容などをご紹介しました。
学生さんであれば、アルバイトや研修で一定期間、経験をして自分に合うか試してみるといいかもしれません。
乗馬クラブに通っている方であれば、インストラクターと直接話をしてみると、普段は見えてこないメリットやデメリットも教えてくれるかもしれませんね。
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