馬術入門(39)【~馬にたずさわる人全てが調教者~97】
輪乗りでの速歩肩内、腰内が正確に馬が自らの姿勢を崩す事なく安定して輪乗りの開閉が出来るようになったら、輪乗りでの駈歩肩内に入ります。
あまり深い肩内をしようと思わずに、両脚をしっかり使っている事が出来ているかが重要です。
駈歩での肩内はあまり長くやる必要はありません。
輪乗りの開閉は、収縮が完成している馬で後躯に負重して確実にコントロールされたゆっくりとした駈歩が出来るレベルの人馬でなければ実施しないでください。
特に間違った動き(前輪駆動)の駈歩をしている馬では、前肢を軸に捻じる事で管骨を骨折させてしまう事になるからです。
けしてあまく考えないで下さい。
管骨は捻じれる事で簡単に折れてしまいます。
両手前の肩内を行ったら、次は、同じ輪乗りで腰内を行います。
前躯を輪乗りの輪線上に重なるように動かしながら後躯を輪線の内側に位置して動かさなければなりません。
拳や肘、手先で馬の姿勢を作ろう、保とうとせずに脚で後躯の姿勢をしっかり保つ事が重要です。
駈歩においても輪乗りの開閉を2.3周程度をかけて閉じたり開いたりを行います。
スムーズに出来るようになったら輪乗りを閉じた時に両脚をしっかり閉じるように強く使いながら両肘、両脇を腰と1体にして力の循環を使いながらピルーエットに入ります。
両拳は、けして動かないように内方姿勢の構えを保ち回転に入る時だけ内方拳で方向を示し軽いソフトな状態を保持します。
両脚と坐骨で推進を強化しながら外方脚を使い外方後肢をより強く回転方向に踏み込ませるようにします。
乗り手は、バランスを崩さないようにしながら馬が自らピルーエットに入るのを待ちます。
けして無理矢理捻じったり振り回したりして回転に入ろうとしないで下さい。
いきなり完成した運動をさせようと思わずに、先ずは馬自身が態勢を崩さずに動きに入れば充分です。
令和6年10月
長谷川 雄二
このページをシェアする