乗馬のあとの筋肉痛の原因は?乗馬で使う筋肉を解説!
馬術選手や乗馬を長い期間たしなんでいる方は、スラっとした筋肉美が印象的ですよね。
実は馬術や乗馬が見た目よりも運動量の多いスポーツだからのようです。
一見、馬に乗っているだけのように見えますが、運動量が多いというのはどういうことなのでしょうか。
この記事では、乗馬の運動量の秘密や乗馬ではどのような筋肉を使っているのかを説明します。
また、筋肉痛の軽減に効果的なストレッチも紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
この記事で分かること
・乗馬で使う筋肉は?
・筋肉痛を軽減できる、準備運動・ストレッチ
意外と多い!乗馬の運動量
乗馬ははたから見ていると、馬だけが一生懸命に運動しているようにも見えます。
しかし、馬上は揺れるので、乗り手の体が無意識に体幹を使って、馬から落ちないようにバランスをコントロールしています。
これだけでも、かなりの運動量になるのです。
しかも、人間が馬に動いてもらえるように合図を馬に工夫しながら送っており、その合図を送る際にもさまざまな筋肉を使っているんです。
馬に合図を送って発進できたとしても、その歩様を維持するためには、鞍の上では常に同じバランスや姿勢を保つ必要があります。
揺れている馬上で同じ姿勢やバランスを保つためには、かなりの筋肉を使用するため、結果的に運動量が豊富なスポーツであると言われています。
騎乗前後の馬装やお手入れでも、カロリーを消費すると言われていて、騎乗中だけではなく準備や後片付けでも運動量の多いスポーツだと言えます。
乗馬で使う筋肉は?
乗馬は肩から指の先まで体全体を使う全身運動のため、かなりの数の筋肉を刺激します。
ここでは特に刺激されると言われる「体幹(インナーマッスル)」と「内転筋」についてご説明します。
体幹(インナーマッスル)
体幹とは頭部と腕、脚を除いた胴体全体のこと。
乗馬では、背、胸、腰、腹部、臀部をしっかりと安定させるインナーマッスルをバランスよく鍛えることができます。
特に乗馬では、腰、腹部、臀部を刺激するので、腰痛の予防にもなります。
ほかにも体幹を鍛えると、姿勢が良くなるのはもちろん、代謝が上がって太りにくくなったり、関節がスムーズに動くようになったりします。
特に女性の乗馬経験者と未経験者では、大腰筋の発達に大きな違いがみられることが研究で明らかになっています。
大腰筋は、骨盤を立てる筋肉で衰えてきたり、緊張感があったりすると、腰痛を引き起こしたり、足がすり足気味になり転びやすくなったりします。
大腰筋が原因の腰痛持ちの方は、正しい騎乗姿勢をマスターすれば、改善される可能性もあるでしょう。
乗馬を続けると、体幹部のインナーマッスルを鍛えることができるため、体の調子がよくなる方も。
表層にある筋肉のみならず、インナーマッスルを効果的に鍛えることができるのも乗馬の動きの特徴です。
内転筋
太ももを閉じる際や股関節を動かす際に使う筋肉が内転筋です。
恥骨筋、短内転筋、長内転筋、大内転筋の4種類の筋肉から構成されています。
この筋肉群は日常生活では、なかなか使われていません。
骨盤を下から支えているため、弱ってくると腹部がぽっこりと出てしまうことも。
膝や腰の痛みにも影響してきます。
乗馬では股関節を柔らかく使って、馬体を挟んで合図をするため、内転筋が発達しやすいようです。
やはり内転筋も女性の乗馬経験者と未経験者では、その発達ぶりに大きな違いがあることが分かっています。
筋肉痛を軽減できる、準備運動・ストレッチ
久々に乗馬をすると、全身が筋肉痛になります。
特に上に挙げた体幹のインナーマッスルや内転筋は日常生活では、なかなか鍛えづらい場所なので、乗馬をすると筋肉痛になることが多いのではないでしょうか。
今回は筋肉痛を軽減するための準備運動やストレッチをご紹介します。
騎乗前の準備運動(ウォームアップ)
騎乗前のウォームアップでは、体をほぐします。
ウォームアップは怪我の予防にも効果的です。
翌日、筋肉痛になりがちな股関節周りを特に入念に柔らかくしておきましょう。
乗馬の前にやっておきたい準備運動
まず上半身の力を抜きましょう。
肩を上にあげて、一気に脱力します。これを何度か繰り返します。
次に肩甲骨のあたりから動かすことを意識しながら、肩と腕を大きく回してください。
左右それぞれ数回繰り返します。
次に立った状態から踵を少し外側に向けて、左右に広く足を開き、手のひらを左右それぞれの膝の上に乗せます。
その手で膝を少し外側に押すようなイメージで体重をかけながら中腰になります。
次に左右それぞれの肩を前に少しひねるようにして、さらに股関節まわりを伸ばします。
これも左右数回繰り返してください。
また馬上でも股関節を緩ませることができます。
騎乗をしたら、力を抜いて脚をだらんと下に伸ばします。
その状態から、左右どちらかの足首を持って、そのまま後ろの方にゆっくりと伸ばしてください。
左右どちらも行いましょう。終わったら、また脱力します。
次に股関節から両脚を外に開く、閉じるを繰り返してください。
数回繰り返したら、馬上で自転車をこぐような動きもしてみましょう。
最後に足首を回して準備完了です。
辛い方は無理をせずに自分のペースで行ってくださいね。
騎乗後のストレッチ、整理運動(クールダウン)
次に馬から降りた後のクールダウンのストレッチをご紹介します。
運動後、まだ体が温かい状態で行ってください。呼吸も止めないようにしましょう。
ストレッチは1回20秒程度維持することを目安にしてください。
乗馬の後に取り入れたいストレッチ
筋肉痛になりやすい下半身を中心にやっていきましょう。
足の裏を合わせてあぐらをかきます。両手で足の甲を包み込むようにしたら、両膝をパタパタと上下に動かしましょう。
次に開脚をした状態から、体を前にゆっくり倒します。
体を起こしたら、次に片方の足を内側に曲げて、伸ばしている足の方に体をゆっくり倒します。
左右ともに行ってください。
終わったら、体育座りをしてください。
片方の足首をもう一方のももに乗せて、お尻の筋肉を伸ばします。
逆も同じように行います。
次は膝立ちになりましょう。膝が90度になるように片方の足を前に出します。
そこから、腰を前に押し出すようにして太ももと股関節を伸ばします。
左右ともに行いましょう。
続いて腹ばいになります。
そこから胸の横に両手をもっていき、上半身をそらして伸ばします。
腰痛の方は、無理をしないでください。
ここからは立位で行うストレッチです。
立った状態から、両手を頭の上で組んでひっくり返しながら、上に伸びます。
そのまま、左右に倒して体側を伸ばしてください。
左右ともに終わったら、今度は体の後ろ側で手を組みます。
組んだ手を肩甲骨を寄せるようにして後方に伸ばします。
最後に頭を上下左右に気持ちよく伸ばしたあとに、手首と足首を回したら終了です。
まとめ
今回は乗馬で使用する筋肉と騎乗翌日の筋肉痛を軽減するためのストレッチをご紹介しました。
準備運動をして、ほぐしておけば、怪我もしづらく、体もスムーズに動かしていけます。
また、クールダウンも翌日の筋肉痛軽減に効果的です。
ぜひお試しください。
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