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馬術入門(42)【~馬にたずさわる人全てが調教者~100】

なんと早いもので、このコラムも100回掲載数で110回目となりました。

 

時折、このコラムをご愛読して頂いている方から声を掛けて頂く事があります。

「毎月コラム読むの楽しみにしてます。」

「書かれている内容の事を実践しています。」

「馬との向き合い方が変わりました。」

「馬は、どのようにコントロールするものなのか解って来たように思います。」

「書かれている内容が難し過ぎて毎月のコラムどおりには進む事ができません。半年前までで止まっています。」

「クラブのインストラクターの指導内容とくい違い試す事もできません。」

「書かれている事を正確に実施しているつもりですが、馬は思った通りの反応をしてくれません。」等々…

 

簡単に上手くいかないのがスポーツの面白いところです。

さらに馬術は普通のスポーツと大きく違っているのが人馬で1個体のアスリートつまり1選手なのです。

つまり、乗り手の技術がいくら高くても、馬の調教度合いが低ければ、同一人馬1アスリートとしてのレベルは、馬のレベルに同じとなります。

 

逆に馬のレベルが高くて乗り手の技術が低ければ、その人馬1アスリートとしてのレベルは、そのレベル差が大きければ大きい程乗り手のレベルに近い状態となります。

レベルの高い馬ほど複雑で僅かな扶助により難易度の高いパフォーマンスを教えられているので乗り手は、安定した推進、脚、坐骨、膝、脹脛、踵、バランス、力みの無い上体と構え、肘、拳、各運動の正確な扶助知識、正確な扶助指示を発信する為の身体各部の正確な動きが出来なければなりません。

それがどこまで出来るかで人馬のレベルが決まります。

但し、このように馬のレベルが高い場合乗り手が正しくない指示を出していたとしても馬が忖度して、ある程度馬自身が苦しい思いをしても、乗り手が無理矢理馬をコントロールしようとしても、馬は乗り手が望んでいるであろう動きをしてくれます。

そのようになった時、人馬の将来にとって最も大切なことが乗り手の考え方です。

[馬のおかげ]と謙虚に受け止めて知識を深める勉強、正確な扶助を発信出来る身体的訓練、馬と呼吸の合った扶助発信のタイミング、最終的には、人馬が互いに相手に集中して強力し合い一体となって運動することが出来る事を目指して頂きたいと思います。

 

令和7年1月吉日

   長谷川 雄二

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