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馬術(7)【~馬にたずさわる人全てが調教者~108】

前回の前方推進、後方推進の使い分けによりはっきり前に進め、後ろに進めの指示が明確に発信出来る運動内容である時は良いのですが、レベルアップをして行くと、この両方の指示を同時に使用する必要があるのが収縮運動です。

収縮は前の壁を強くするのではなく、あくまでも後方推進を使って減却をし後肢の強い踏み込みにより、後駆全体が沈み込むようなシナリを完成させた事で自然と前駆が起きて来ます。

さらに、ここで同時に前方推進をしっかりする事で見ている人は、馬が意気揚揚とした態度と風格で動いているかのように感じる動き(起揚)をさせることができます。

 

馬場馬術の収縮運動、障害馬術の大障害クラスになると、この運動が求められる事となります。

このような難易度の高い伸縮を求める運動を要求する為には、騎手はとても繊細な腰骨、坐骨、膝の動き、安定した不動の上半身、軽い拳の微妙な動き等が必要となります。

ですからこの前方推進、後方推進を正確に完璧にマスターしてその両方の指示のどの部分をどれだけ協調するか、また、収縮、尋常、伸長の使い分け、切り替えのタイミングなど明確に馬に伝えなければなりません。

同時使いで力を使うこと無く動きをスローにする使い分けが完成して、減却の構えだけで全く拳に力を入れること無く収縮運動に入れるようにするための動作や力かげんなど何回も繰り返し馬と呼気を合わせながら完成させていかなければなりません。

 

何回もの繰り返しの訓練で会得して行くしかありません。

 "騎道作興 百練自得"です。

 

令和7年9月

        長谷川 雄二

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