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なんのためにつける?蹄鉄の役割

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2023/5/16

蹄鉄のイメージ

馬は約5000年前から人間と共に生活しています。

馬は最初の頃、移動用や力仕事をする動物として重宝されてきました。
現在は主に競馬や乗馬、ホースショーなどで活躍する役割を持っています。

馬と人間が共に生活する歴史の中で、馬を扱うためには欠かせない「ハミ」や「あぶみ」など様々な馬装が発明されてきました。

その発明の中に今回紹介する「蹄鉄」があります。

蹄鉄は馬の蹄の裏に装着するU字型の金具のことで、現在は競馬や乗馬で使用する馬のほとんどが装着しています。

この記事ではぜひ知っておきたい蹄鉄の基本知識について解説していきます。

この記事で分かること

・蹄鉄の役割
・蹄鉄の簡単な付け方
・野生の馬には蹄鉄がいらない理由
・蹄鉄が幸運を招くと言われている理由

蹄鉄とは?なんのためにつける道具?

蹄鉄とは鉄もしくはアルミニウム合金で作られるU字型のもので、馬の蹄の裏に釘で打ち付けて装着します。

現在は飼育されている多くの馬が蹄鉄を装着しています。
特に競馬では大抵の馬が装着しており、非常に大切な馬具だと分かります。

蹄鉄の役割や必要性

跳躍する馬と蹄鉄のイメージ

蹄鉄には主に二つの役割があるとされています。

一つ目の役割は「蹄の保護」です。

乗馬や競馬では人間を乗せて走る機会が多く、蹄に大きな負担がかかります。
そこで必要になるのが蹄鉄です。

蹄鉄を装着することで蹄の裏全体が金属によって保護され、蹄が削れや裂蹄、病気を起こすのを防いでくれます。
つまり、蹄鉄は人間にとっての靴と同じ役割があります。

二つ目の役割は「運動能力向上」です。
蹄に蹄鉄を装着することで、馬は地面をしっかりと蹴ることができより早く走れるようになることや、障害馬術では踏み込みが安定し、より高い障害を飛越できると言われています。

また、蹄鉄の中でも特殊なものとしてクランポンがあります。

クランポンとは通常の蹄鉄に突起が複数ついているもののことで、主に障害馬術競技やクロスカントリーで使われます。

クランポンにはサッカーや野球で使うようなスパイクシューズと同じ役割があり、飛躍的に運動能力が向上します。

その他にも「蹄のお手入れ方法や」「蹄の構造」など、ここでは紹介しきれない蹄に関する情報は以下のリンク先の記事でまとめました。
併せてご覧ください。

関連記事:意外とデリケート!?馬の蹄(ひづめ)のお手入れについて

蹄鉄をつける時、馬は痛くないの?蹄鉄の付け方

蹄鉄は馬の蹄に釘を使って打ち付けます。
その様子をみて誰もが一度は思うのが「それって馬は痛くないの?」ではないでしょうか。

その疑問の答えは「痛くない」です。
理由は、馬の蹄の先端近くには痛覚がないからです。

しかし、痛覚がない範囲だけに釘を通すのは難しく、熟練された技術の持ち主でないと装蹄は難しいとされています。

蹄鉄の付け方は状況や個体によって異なりますが、基本的にはひとつの蹄鉄に対して4〜6本の釘を打ち付けて固定します。

蹄がボロボロにならないように前回と釘の位置をずらすことが大切です。

また、釘には内側と外側の区別があります。しっかりと確認しておきましょう。

熟練の経験と技が必要。装蹄師の仕事

蹄鉄を熱するイメージ

装蹄師は主に馬に蹄鉄を付けることが仕事です。
公認の装蹄師になるには免許の取得が必須となっています。

装蹄師の仕事は蹄鉄を付けるだけでなく、まずは馬の蹄を削って整える「削蹄」を行います。

削蹄は人間の爪切りにあたるもので、きれいに蹄鉄を付けるためにも欠かせない工程です。

削蹄はただ水平になるように削れば良いものではなく、その馬の歩様の癖や重心の位置によって消耗しやすい部分と消耗しにくい部分を見分けながら多少の高低差をつけておこなわれます。

削蹄の次は、蹄鉄をその馬に合うように変形させます。
変形させる際は蹄鉄を高温で熱してからハンマーで叩きます。

この工程も削蹄と同様にその馬の歩様の癖や重心の位置によって微調整が必要なため、何度も叩き直して修正することも珍しくありません。
夏場だとかなりの高温になるので体力勝負でもあります。

最後に、叩いた蹄鉄を蹄に釘で打ち付けます。
この時には正確さの他に、素早さが求められます。

なぜなら釘打ち中は馬の足をもつ必要があり、長時間持っていると馬にストレスがかかってしまい反抗される危険があるからです。

このように装蹄師は蹄のプロフェッショナルであることに加えて馬への深い理解も求められる仕事と言えます。

野生の馬には蹄鉄がいらない理由

ここまで蹄鉄はケガや病気から守る役割があるなど、馬にとっての蹄の重要性について解説してきました。

では、蹄を装着していない野生の馬は、なぜ生き残ってこれたのでしょうか。

その答えは、「野生の馬は家畜化された馬よりも蹄が丈夫であるから」です。

野生の馬は天敵が多く食べ物にも困る可能性があったため、より速くより長く走るために蹄を固く丈夫にしました。

一方で家畜化された馬は天敵もいなければ食料も困らないため、そのような進化はしなかったことに加えて、品種改良の際に馬の丈夫さよりも走る速さを重視した選抜方法を行ってきました。

そのため、家畜化された馬は野生の馬よりも蹄の丈夫さで劣るようになりました。

幸運を招くモチーフと言われる蹄鉄。その所以とは?

蹄鉄のイメージ

蹄鉄は幸運を招くものとして知られています。
その認識は世界共通で、様々な国で幸運を招くモチーフとして扱われています。

蹄鉄が世界中で幸運を招くモチーフとして知られている理由をいくつかご紹介します。

  • ・西洋では蹄鉄は馬の蹄を「護る」ものだから、「お守り」として考えられており、魔除けとして玄関に飾られている
  • ・イタリアで村人が権力者の装蹄師として働くことで収入を得て、お金持ちになったという言い伝えから富や幸運の象徴となった
  • ・馬は人を踏まないことから交通安全のお守りとなった
  • ・悪魔は人間と、蹄鉄が掲げられた扉は絶対に入らないといった内容の契約を結んでいるという逸話から魔除けとして扉に掲げられている。
  • ・蹄鉄に打つ釘の本数が7本であったことから「ラッキー7」として考えられていた

このような逸話やイメージから世界中で幸運を招くモチーフとして扱われています。

蹄鉄の向きは上下どちらの向きが良い?

蹄鉄を飾る際は上向き(U字方向)もしくは下向き(U字の反対向き)の2つのパターンがあります。

あなたならどちら向きに飾りますか?
「正直、どっちでも同じでしょ」とお思いの方も多いと思います。

しかし、蹄鉄を飾る向きによって得られる効果が変わると世界的に考えられており、実は大切なことなのです。

それでは、上向きもしくは下向きで飾った時の効果についてそれぞれ紹介します。

まず、上向きは飾ると器のようになることから、運気がたまる、お金がたまる、ものを失わないなどの意味があります。

次に下向きは飾るとゲートのように見えることから、通ると幸福が降り注ぐという意味で運気アップや魔除けとしての意味があります。

玄関に蹄鉄を置いて、何かに挑戦したい日には蹄鉄を上向きに、平穏に暮らしたい日には蹄鉄を下向きにすると面白いかもしれません。

馬好きさん必見!幸運の馬蹄モチーフグッズ

ジョッパーズでは、幸運を呼ぶと言われる馬蹄モチーフのグッズを多数取り扱っています。
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ぜひ、お気に入りの馬蹄モチーフグッズを探してみてください。

まとめ

走る馬と蹄鉄のイメージ

この記事では馬の蹄について詳しく解説してきました。
しっかりと理解できましたでしょうか。

蹄は馬の第二の心臓と表現されるほど馬にとって大切な部分です。
この記事を参考にさらに蹄についての理解を深めましょう!

この記事の要点をまとめると以下の通りです。

この記事のポイント

・蹄鉄は「蹄の保護」と「馬の運動能力向上」の役割がある
・蹄鉄を付けるにはまず、削蹄や手蹄鉄の調整が必要
・野生の馬には蹄鉄がいらない理由は蹄が固く丈夫だから
・蹄鉄は世界中で幸運を招くものと考えられており、飾る向きでも効果が違う

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