ニ蹄跡運動での展開【~馬にたずさわる人全てが調教者~46】
肩内、肩外、腰内、腰外などの運動をニ蹄跡運動と言います。
前肢の左右で造る蹄跡を一とすると普段は後肢も前肢の蹄跡と同じ線上をたどる様に運動します。
巻乗りや輪乗りなどの円運動であっても前肢と同じ線上を後肢がたどる様に運動することが正しい真直性のある運動です。
ニ蹄跡運動は、前躯と後躯を半蹄跡以上左右の肢をどちらかへずらして運動します。
このニ蹄跡運動は、脚の使用により後肢の踏み込みとその踏み込む方向、
さらに後肢のスムーズな運びと後躯の無理の無い態勢を身に付けることを馬が学習することができます。
また、後肢の動きは馬体の屈曲も造り、馬体の柔軟運動にもなるのです。
減却による停止や前進、後退、発進などの運動による前後の屈曲と合わせてこの左右の屈曲をしっかり毎日トレーニングすることで
無理の無い動きを楽に行う為の筋力であったり、態勢であったり、柔軟性であったりを身に付ける事となるのです。
ですから毎日の正しいレベルにあった地道な運動をしっかりしていくことが馬のトレーニングにおいてはもっとも重要な要素です。
次回は具体的な運動をご紹介します。
令和2年7月
長谷川 雄二
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