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馬術入門(14)【~馬にたずさわる人全てが調教者~72】

調教に於いて大切な事がいくつか有ります。

 

馬術は騎乗者である乗り手一人がアスリートとしてパフォーマンスをするスポーツではありません。

馬という生きた動物とペアを組んでパフォーマンスをしなければならない特殊なスポーツです。

ですから、あなたがいくら高い技術を持っていたとしても、今あなたが乗っている馬があなたと同じだけのレベルに無ければ、今あなたが行っているパフォーマンスであなたのレベルを知ることは出来ません。

逆にあなたの技術レベルが低かったらどうでしょう。

乗っている馬のレベルが高いとしたら、客観的にあなたのペアを見ている人は、あなたの実際の技術レベルより高く評価するでしょう。

それは馬があなたをフォローして馬自身の持っているスキルレベルを表現したパフォーマンスとなっているからなのです。

しかしこのペアでは、パフォーマンスのレベルは、時間経過により早い内に内容は低下してやがて限界が来てしまいます。

人と馬のレベル差が大きい程時間的経過も早くに全く意思疎通が出来ない状況に陥ってしまいます。

 

人馬共最大の技術レベルを10として考えたとするなら

  • 馬10ー人8=パフォーマンス10

※乗り手は馬に近づく努力は必要ですが、わりとスムーズに馬に教わる形で技術レベルを上げることが出来ます。

  • 馬10ー人6=パフォーマンス8

※乗り手のかなりの努力が必要です。一人で努力したとしても、パフォーマンスのレベルは早い内に(2年程で)目に見えて低下してしまいます。レベルの高い指導者、トレーナーが介在する必要が有ります。

  • 馬10ー人4=パフォーマンス3以下

※人と馬のレベル差がここまで有ると乗り手の指示は全くと言っていいほど馬に伝わりません。例えあなたが自分は4レベルであることを自覚していたとしても、4のことを出来るはずと馬に無理やり要求してしまうでしょう。そうなれば馬はもっと混乱し無視したり、反発したり、色々な抵抗の行動をするようになってしまいます。

 

調教開始時は、パソコンのキーボード (騎乗者が扶助を発信するためのあらゆる部位を使用して最大限出来る扶助をキーボードの大きさと思って下さい。) で例えるなら1レベルでは大きなキーが数個あるだけで多少何処を叩こうが指示通りの反応をしてくれます。

つまり調教が進んでレベルが上がればそれだけキーボードの数が増えて来ることになるのです。

キーボードの大きさも数が増えれば増えるだけ小さくなるのです。

つまり、レベルの高い調教を受けた馬ほど繊細な動き(扶助操作)により色々なパフォーマンスをしているのです。

騎乗者はそれだけ自身の身体を安定させなが繊細に色々な各部位毎の異なった動作ができなければならないのです。

 

令和4年9月

   長谷川 雄二 

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