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馬術入門(29)【~馬にたずさわる人全てが調教者~87】

長谷川雄二

2023/12/9

前回の最後の肩内で “ベントを意識して” と書きましたが、これは馬体のシナリを作ろうとして外方があまくなり肩から逃がす状態にならないように充分に注意して下さい。

あくまでも使った内方脚により内方後肢が反応して進行方向へ踏み込ませる事が目的です。

馬体自体は真っ直ぐに保つ事が重要です。

先ずは、蹄跡に中央線をとりそこを真っ直ぐ進行します。

30Cm程度の巾で真っ直ぐな蹄跡を作れるように何回か歩きます。

蹄の跡が正しく描けていたらその線上で馬体のシナリを作りながら6m程度の直径の円で巻き乗りをします。

線上から出たらすぐに綺麗な円になっている事、そのまま出た線上に戻っていなければなりません。

このような綺麗な円の巻き乗りを中央線上を行進しながら右へ少し真っ直ぐ進んでから左へと変化を付けながら正しくできるまで繰り返して下さい。

上手くできるようなら巻き乗りの大きさを半分の3mで行います。

 

この大きさはほぼ前肢旋回運動です。

馬体のシナリを深くしようとせずに6mの時と同じにして、後肢を少し外へ振るように内方の脚を強く使用します。

この運動も6mの巻き乗り同様左右に何回か行います。

内方脚の使用に対し内方後肢が思う様に正しく反応して来たら、この巻き乗りから中央線上に入ると同時に肩内の運動に入ります。

騎手の位置は線上を保っている事、巻き乗りの継続とならないように両肘を止めます。

進行方向を示すため外方の拳は一瞬手の平を上に向けるだけの開き手綱の動作をします。

内方の肘と拳は内方の顎を譲らせる為の動作が必要です。

肘はいつでも折れるように、拳は肘の動きに合わせてその場で手の平を上に使えるようにします。

しかし、拳の動作で力を使う必要はありません。

また、肩内の動きに入ったら肘、脇を止める力も必要なくなります。その位置に留めて置くだけです。

 

角度は、左肩内であれば馬体を真っ直ぐの状態で騎乗者を軸として馬の頭の向きを11時の方向けます。

右肩内であれば1時の方向となります。

この30°の角度で中央線上を真っ直ぐ進行できれば肩内の運動の完成です。

 

この角度を深くする為の動作は、内方の脇を閉めるように肘を止め内方脚、踵を強めに使用して内方後肢を進行方向へ踏み込ませます。

10時の方向、9時の方向つまりは真横へ行進です。

そのまま両肘を止めてさらに内方脚、踵で後肢を振れば前肢旋回の運動となります。

 

令和5年12月

       長谷川 雄二

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