馬の知能は人の3歳児程度?もっと賢く感じる瞬間も?
馬と関わっていく中で馬の賢さを感じた経験はありますか?
おそらく多くの方は「馬って賢い!」と感じたことがあるのではないでしょうか。
この記事の筆者も「勝手に馬房を開けて散歩しに行く馬」「首を下げた状態で少し跳ねれば人間が落馬するのを知っている馬」など馬の賢さを感じた経験が多くあります。
実際に馬の知能は人間の3歳に相当すると言われており、動物の中でも賢い部類に入ります。
では、馬は他の動物に比べてどのくらい賢いのでしょうか。
以下の記事では「馬の賢さを数値で表すとどうなるのか」や「有名な馬の賢さエピソード」について紹介します。
「馬は賢い動物」実際の知能はどれくらい?
馬は人間の3歳くらいの知能を持っていることから賢い動物であると紹介しましたが、他の動物と比べるとどのくらい賢いのでしょうか。
このことを化学的に示すには「脳化指数」という数値が有用です。
脳化指数については以下で詳しく紹介します。
動物の知能を計る【脳化指数】
動物の知能は「脳化指数」というもので表されます。
脳化指数とは「脳の重量÷体重の2/3乗」で表され、体重に見合った脳の大きさに比べてどのくらい大きい脳を持っているかを示している数値です。数値が高いほどその動物は賢いとされています。
つまり、体重のわりに脳が大きければ大きいほど賢いということです。
一般に親しみのある動物の脳化指数は以下の通りです。
ヒト :0.89
イルカ :0.64
チンパンジー:0.30
サル :0.25
ゾウ :0.22
クジラ :0.21
カラス :0.16
イヌ :0.14
ネコ :0.12
スズメ :0.12
ウマ :0.10
ウサギ :0.07
ウシ :0.06
ブタ :0.05
ラット :0.04
ハト :0.04
ニワトリ :0.03
馬の脳化指数は犬・猫より低い?
脳化指数の一覧から、馬よりも犬や猫のほうが脳化指数が高いという結果になっています。
つまり脳化指数を基準とした賢さでは馬よりも犬・猫の方が優れているということですが、一概に馬より犬・猫の方が賢いとは言えません。
なぜなら馬は脳の大きさ以上の優れた記憶能力を持っているからです。
実際に馬は脳化指数に反してすごく賢い動物であることが認められています。
このようなことから、馬は脳化指数こそ犬・猫に負けているものの知能は同等くらいとも考えられます。
賢い馬の特徴は「記憶力の高さ」
「この馬は賢い!」と言われるような馬に共通しているのが記憶力の高さです。
賢い馬は一度経験したことをきちんと覚えているのです。
例えば「普段は悪さをしてくるのにインストラクターの前ではおとなしい馬」です。
この場合はインストラクターの前で悪さをすると怒られるということを覚えているためそのようになるのです。
これらのように馬の賢さは記憶力の高さから来ていると考えられています。
記憶力抜群!伝説の「ディープインパクト」のエピソード
上記で紹介したように馬は記憶力に優れていますが、その中でも特に飛び抜けた記憶力を持った馬のエピソードを紹介します。
その馬は、競馬を知らない人でも聞いたことがあるであろう名馬「ディープインパクト」です。
ディープインパクトは他の馬が10回以上繰り返さないと覚えられないようなことでも2〜3回程度ですぐに覚えたと言われています。
その記憶力の高さからレースでは1番にゴールすると良いことを理解しており、騎手が指示をしなくても自らペースをコントロールして確実に勝利をものにしています。
そんなディープインパクトの賢さが不利に働いたレースがあります。そのレースは菊花賞です。
菊花賞は他にはあまりないコースを2周してからゴールするという珍しいレースです。
ディープインパクトはホームストレッチ(ゴール前の直線)では他の馬を抜かさなければならないということを記憶していたため、1周目で全力で走行して体力を消耗してしまったという、ディープインパクトが持つ記憶力ゆえのエピソードがあります。
しかし、そんな不利な状況になったレースでもディープインパクトは勝利をおさめました。
このような記憶力の高さと運動能力の高さから伝説の名馬「ディープインパクト」として知られています。
この記憶力の高さはディープインパクトの仔にも影響しており、ディープインパクトの仔は知能が優れているため競馬で現役を引退した後も乗用馬として活躍しています。
馬は人間の感情を読み取る?賢いからこそ、よりコミュニケーションが大切
上記で紹介した通り、馬は記憶力が優れています。そのため人間が馬に対して
・思いやりのないことをしてしまう
・無意味に怒ってしまう
・良いことをしても褒めてあげない
などを行うと馬はそれを覚えてしまい、人間と馬との信頼関係が崩れてしまう危険があります。
馬が賢い動物であるからこそ、丁寧で的確なコミュニケーションが必要不可欠です。
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まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます!「馬は賢い動物だ」ということが伝わりましたでしょうか?
馬は人間でいうところの「根に持つタイプ」です。
些細なことでも覚えられてしまっていることがあるので丁寧に接してあげましょう!
この記事を参考に引き続き乗馬ライフをお楽しみください!
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