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怪我なく乗馬を楽しむために。落馬事故を防ぐために気をつけること

2023/8/4

人形が転んでいるところのイメージ

乗馬を始めようとするときに、どうしても気になってしまうのは落馬による事故や怪我。

この記事では、落馬をしてしまう主な原因や落馬をしないための注意点、怪我をしないための装備や上手な落馬の仕方をご紹介します。

この記事で分かること

・落馬の主な原因
・乗馬用の安全装備について
・落馬をしないための注意点
・上手な落馬の仕方

『落馬』をしたことがありますか?

みなさんは落馬をしたことがありますか。

誰もができれば落馬したくありませんが、乗馬愛好家にとって避けては通れない道です。

落馬をしたことのない騎乗者が落馬について知っておくことは、大きな事故や怪我をしないための一番の対策になるのではないでしょうか。

関連乗馬用語:落馬

落馬の主な原因

考える女性のイメージ

どんなときに落馬することが多いのでしょうか。
ここからは、落馬のよくある原因の3つをあげてみます。

馬の動きによるもの

驚いた馬のイメージ

おそらく、一番多いのがこのタイプの落馬ではないでしょうか。

馬が何かを物見したり音にびっくりしたりして、予測できない突発的な動き(横飛びや暴走)をした場合や、馬が大きくつまずいた場合などです。

いずれもバランスよく体を起こして騎乗していれば、耐えられるケースも多くあります。

特に馬がつまずいた場合は前傾をしていると落馬しやすくなります。

腹帯のゆるみ、鞍のずれ

このタイプの落馬は事前にしっかりと準備をすれば、避けられます。

馬装のときに、しっかりと腹帯を締めるようにしましょう。
ゆるいと騎乗時に鞍がずれて、落ちてしまうことがあります。

また、腹帯は騎乗者の重みでゆるみがでます。

騎乗中に鞍がずれたら、落馬のみならず、馬がパニックを起こす可能性も。
馬に乗ったら、最初に腹帯を確認しましょう。

このほかにも、腹帯がゆるいと鞍と馬体が擦れてしまい、きこうあたりを傷付けてしまうことがあります。

鞍傷予防のためにも腹帯はしっかりと締めなくてはなりません。

関連記事:乗馬用 鞍の装着手順を正しく覚えよう!

騎乗者のレベル

乗馬のイメージ

初心者の方には、物見やびっくりすることの少ない、精神的に安定した重めの馬を配馬されることが多いでしょう。

そのため、馬の動きによる落馬の危険性自体はそこまで高くないかもしれません。

しかし、何らかの原因で馬が予測できない動きをしたときに、初心者は姿勢やバランスがよくなかったり、どう対応すればいいのか判断できなかったりするため、ベテランの騎乗者より落馬のリスクが高くなります。

筆者も落馬を1度経験しています。
馬が大きくつまずいて、耐えられずに落ちてしまいました。

インストラクターからは
「もう少し手綱を短く持っていたら、落ちなかったと思います。手綱で馬の体を起こしてあげることができたはずです」
とアドバイスをいただきました。

このように、同じ馬の動きでも騎乗者の熟練度によって落馬につながる可能性が変わります。

事故・怪我を防ぐために。安全性を重視した装備を揃えよう

もちろん、騎乗者がどれだけ気を付けていたとしても、落馬は避けられないこともあります。
落馬が起きてしまっても怪我につながらないよう、安全性を重視した装備を整えることも必要です。

ヘルメット

ヘルメットをかぶった女性のイメージ

落馬の際に一番守られなくてはならないのが頭です。

ヘルメットは安全規格を満たしたものを購入しましょう。

日本には乗馬用ヘルメットの安全規格はありませんが、ヨーロッパのVG1やイギリスのPAS、アメリカのASTMなどの規格があります。

いずれかの安全規格を満たしたものを購入することをおすすめします。

関連記事:乗馬用ヘルメットの選び方

ボディプロテクター

ボディプロテクターのイメージ

ボディプロテクターも体を守る大切な装備です。

こちらもヨーロッパの規格EN13158やアメリカの規格ASTM F1937を満たしているものを購入すると安心です。

また、最近ではエアバック内蔵型のボディプロテクターもありますが、比較的新しい商品のため各国とも定まった安全規格がありません。(2023年7月時点)

しかし、各メーカーが独自の試験方法で安全性をテストしており、すでに国内外多くの騎乗者や乗馬クラブに採用されていますので、安心してご利用いただけます。

関連記事:乗馬用プロテクターの選び方

セーフティブーツ

セーフティブーツのイメージ

セーフティブーツとは、つま先が金属のキャップで保護されたブーツのことです。

最近では、そのまま騎乗できる安全性の高いセーフティブーツも販売されています。
落馬時の他にも、お手入れや馬装の際につま先を踏まれてしまったとしても大丈夫です。

関連商品:JODHPURS 合皮セーフティショートブーツ

落馬をしないために注意したいこと

それでは、どのようなことに注意すれば落馬を防ぐことができるのでしょうか。
騎乗者が普段からできる対策や心がけをご紹介します。

焦らない、落ち着く

馬が予測できない動きをしてきたとしても、落ち着いて対処することが大切です。

びっくりして人間が大きな声や高い声を出してしまうと、その声で馬がさらにパニックを起こします。

馬が驚いているときは「ほーほー」など、落ち着いて声を掛けてあげます。
努めて冷静にリーダーとしてふるまいましょう。

しっかりと体幹を鍛え、バランス感覚を身につける

乗馬のイメージ

普段から姿勢やバランスを意識して騎乗することは、乗馬の上達だけではなく落馬防止策にもつながります。

鞍数を重ねて、しっかりと体幹を鍛え、バランスの感覚を身に着けていけば、馬が予測できない動きを少ししたくらいでは落馬しないようになります。

こういった経験を重ねていくことで少しずつ自分の騎乗にも自信が出てきて、恐怖心から前傾することもなくなり、さらに落馬のリスクが減っていきます。

馬の気持ちを理解し、嫌いなことを行わない

馬も動物です。
その日の気分もあれば、好きなことや嫌いなことも1頭ずつ違います。

馬の性格や気持ちを理解し、嫌がることは極力、避けるようにしましょう。

例えば、ムチが好きではなく敏感に反応する馬に対しては、実際にムチを使わなくてもムチを持って騎乗したり、見せたりするだけでも十分に効果を得られます。

ムチが嫌いな馬に何度も強くムチを使いすぎると、馬が反抗をして予測できない動きをするかもしれません。

関連記事:馬の気持ちを理解しよう!甘えたいときの仕草って?ハムハムや前掻きの意味とは

落馬は悪いことではない!上手な落馬の仕方とは?

落馬は予測不可能な出来事に端を発することが多いため、悪いことではありません。

しかし、対応を間違えると怪我をしてしまうことも確かです。

ここからは怪我をしないように上手に落馬する方法を解説します。

落馬しそうになったら、無理につかまったりしがみつくのは危険?

乗馬のイメージ

落ちそうになるととっさにしがみついてしまうのは、人の防衛本能として自然な反応です。
しがみついて落馬を防げる程度のものであれば、問題ありません。

しかし、勢いやスピードがあると馬にしがみついたとしても、こらえきれずに落馬をしてしまいます。

このときに、馬の前に落ちてしまうことがあれば、踏まれたり蹴られたりして怪我をしてしまいます。

また、しがみつくことによりバランスを崩して、頭や手などから落ちてしまうことがあります。
こちらも大きな怪我につながりかねません。

落馬が避けられないと思ったら、しがみつき過ぎずに流れに任せて落ちるようにしましょう。
ただし、周囲に障害物がないなど、安全な着地が出来そうな状態であることが条件です。

足から落ちるようにする

頭から落ちるのは非常に危険です。

そのため、足から落馬するのが上手な落馬の仕方とされています。
流れに任せて手綱を離さずに落ちれば、自然と足から落ちることが多いようです。

しかし、注意をしなくてはいけないのが鐙です。

鐙が深いと足が鐙に引っかかってしまい、頭から落ちてしまうかもしれません。
鐙が深くなってしまったら、鐙を浅く履き直す練習を普段からしておきましょう。

できるだけ手綱を離さないで落ちる

乗馬のイメージ

手綱を持ったままであれば、腕が引っ張られるため、足から着地する安全な落馬になる可能性が高まります。

また、手綱を握ったままの落馬は「騎乗者が落ちた」と馬も認識しやすいようです。

ほとんどの場合、馬が止まってくれるため、落ちた後に手足を踏まれるなどの事故や怪我を防ぐこともできます。

手綱を握って着地した後も馬が動いたり暴れている場合は、蹴られたり踏まれたりする危険があります。
手綱をすぐに離してください。

手綱を離してしまったら、すぐに馬から離れる

落馬は一瞬のため、そこまで意識していなくても手綱を持ったまま気付いたら足から着地していることが多いのではないでしょうか。

しかし、障害飛越の際など、手綱を握ったまま落馬できないこともあります。

そのときは、着地したらすぐに馬から離れてください。
近くにいると蹴られたり、踏まれたりする危険があります。

まとめ

乗馬の愛好家である限り、常に落馬のリスクはあります。
今回はそのリスクをどこまで抑えることができるかについて、ご紹介しました。

落馬はそこまで頻繁に起こることではありません。

起きてしまった場合の対応は頭に入れながらも、考えすぎずにリラックスして乗馬を楽しみましょう。

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