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オリンピックや乗馬の国際大会など、海外遠征で馬を輸送する方法は?

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2023/9/26

飛行機のイメージ

競馬場やトレーニングセンターの近く、高速道路などで馬を輸送するための大きなバスのような車を見かけたことはありませんか。

これは馬を輸送するための専用の車で馬運車といいます。

初めて目にしたときには、「こうして運ぶのか~」と感心しつつ、「あの中はどうなっているんだろう、馬は窮屈ではないのかな?」なんて考えていました。

馬を海外遠征に輸送する方法は「飛行機」です。
詳しい手順はどのようになっているのでしょう。

この記事では、輸送方法と気になる検疫や費用についても説明します。

この記事で分かること

・馬を海外に連れて行くのはどんな時?
・馬の飛行機での輸送方法

馬を海外に連れて行くのはどんな時?

馬術の大会のイメージ

馬を海外に連れて行くのは、馬のストレス・事前準備・費用においてとても大きなインパクトがあります。
では具体的に、どんな時に海外遠征に連れて行っているのでしょう。

例えば競走馬の海外遠征といえば、フランスの凱旋門賞・ドバイミーティング・香港ミーティングなどが有名ですよね。

そして馬術の海外遠征といえば、オリンピックやオリンピックの中間年(4年に1度)に開催されている世界馬術選手権などがあります。

このような大きな大会のときに、馬は海を渡って海外に渡航しているのです。

海外への輸送手段は「飛行機」

馬の輸送手段としては、車・飛行機・フェリーがありますが、海外への輸送手段は「飛行機」になります。

フェリーという選択肢を考えた方もいると思いますが、実は馬にとってフェリーは最も苦手な乗り物のようです。
フェリーを使うのは、北海道と本州を行き来するときなど限られたときになります。

その際も、少しでも揺れが少ないよう大きな船を選んだり、少しでも換気がいいように上層階に車を置くなどの工夫や配慮をしているようです。

馬の飛行機での輸送方法

飛行機のイメージ

では実際に飛行機で輸送する場合、どのようにして行くのか詳しくみていきましょう。

まず、海外遠征に行く馬は検疫厩舎というところに入厩します。
そこで各種検査やワクチン注射などを行い、伝染病などの拡散を防ぐ処置が施されます。

これは海外輸送ならではのステップですよね。

その後、検疫厩舎で一定期間過ごした後は飛行機に乗るために空港に向かいます。
このときに利用されるのがバスのように大きい、馬専用の馬運車です。

空港に着くと、ストールと呼ばれる専用のコンテナに馬を乗せます。
このストールは3頭まで乗り込むことができますが、たいていは1頭か2頭で収まります。

内部には馬の食事や水が用意されていて、厩舎の馬房にいるときと同じように過ごせるようになっています。

人間でも飛行機の長旅は大変。
できるだけ馬のストレスを軽減させてあげたいものですよね。

そして実際に乗り込む飛行機は、最近ではチャーター便を用意することが増えてきましたが、一般の飛行機で輸送されることもあるようです。

馬を海外に輸送する時の経費はどれくらい?

電卓とボールペンのイメージ

人間の移動手段としても、飛行機は費用がかかります。馬はどうでしょう。

馬の輸送費は表にでていないため、はっきりとはわかりません。

遠征先によっても費用は異なってきますが、数百万円、1000万円、2000万円と幅が広くなっています。

いずれにしても他の国際試合のスポーツよりも、お金がかかるというのに納得できます。

馬の輸出入検疫とは?

国内の移動は思い立ったらすぐにできますが、海外への輸送は検疫があるため一定の日数が必要になります。

具体的に輸出入検疫は家畜伝染病予防法に定められており、輸出の場合は5日間、輸入の場合は10日間、検疫厩舎で過ごす必要があります。

そのため、馬を海外へ輸送するためには検疫のスケジュールを考慮し、計画を立てる必要があります。

輸送の際の馬のストレスについて

自然の中で走る馬のイメージ

馬は本来、自然の中で走り回る動物です。

そのような馬が狭い空間に入れられていたり、暴れて怪我をしないよう固定されていたりするのは、大きなストレスに繋がることが想像できますよね。

そのストレスはナーバスになったり、情緒不安定になったりと精神面で表れることもありますが、身体面に表れることもあります。

例えば、「輸送減り」。
馬は万全の体調で海外の大会に臨めるよう餌を管理し、体重をコントロールしますが、輸送時のストレスで食欲不振になり、体重が減ってしまうことがあります。

また「輸送熱」といって熱を出してしまう馬もいます。

この熱は輸送時間が20時間を越えると発熱する可能性が高まります。
発熱しても現地に着いて数日経つと治まることがほとんどですが、肺炎を発症する可能性もあります。

他にも長時間動かないために、腸ねん転のリスクも上がる傾向があるようです。

馬は言葉で伝えられないため、このように体に異常が出てきてしまうのでしょうね。

そのため馬の輸送に関わる人間は、できるだけ輸送時間を短くする、ストレスをかけないよう工夫するなど努力をしています。

まとめ

オリンピックや世界馬術選手権など、「海外遠征」は華々しい出来事ですが、実は馬を海外に輸送するのは大変なこと。

周りの人間により、さまざまな工夫や配慮を受けながらも、専用のコンテナで繊細な馬を長時間移動させるということは、馬にとっては凄いストレスがかかります。

そのストレスにより、体重が減ってしまったり、発熱をしたりして、本番で実力を出し切れないこともあります。

また、遠征先により異なりますが、馬を輸送するための費用も他のスポーツの海外遠征に比べても高くなっているのではないでしょうか。

オリンピックや世界馬術選手権など華やかな大会の裏で、そんなお馬さんたちの旅のストーリーがあるということをちょっと頭の隅に入れておくと、さらに応援に熱が入りそうですね。

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