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馬術(18)【~馬にたずさわる人全てが調教者~119】

騎手がバランスを崩す事なく馬に跨がり上体が前後、左右垂直に体幹を保った状態で普通に推進します。

そこで、力の循環を産める力みのない静かな構えを保持出来ていれば馬がハミを下方に取って走ろうとする行為をくい止めるであろう壁を作る事が出来ます。

しかし、前に動こうとする力を構え(壁)だけでいつまでも保つのは力づくになってしまいます。

これでは馬も反発して更に強い力で走るか、動く事を辞め硬直するか、立ち上がって動かなくなってしまいます。

そこでハミに出てきた力を生かしたまま利用する為には強い推進が必要となるのです。

 

棒であった馬体を前後、左右シナリのある馬体に変化させる為には一時的に強固な壁と強い推進が出来なければなりません。

一旦シナリが出現すると棒がバネに変わった如く壁も軽いコンタクトで保持するだけで良くなります。

推進も力を入れて推すのではなく、その坐骨の安定した状態を保つこと、脚の踏み下げフクラハキの密着が継続していればバネ状態を楽に維持する事が出来るのです。

 

人馬共に苦しむ事が少なく楽に動けるこの状態での運動を継続的に安定して行っていると、馬が自らその姿勢で運動する事をしようとするようになります。

すると更にその運動を楽にこなす為の筋肉も強化され、もっと難易度の高い運動も難なくこなせるようになるのです。

調教すると言うことは馬の健康維持、毎日の積み重ねでの持久力、筋力トレーニング、扶助の学習なのです。

アスリートを育てるのですから何年も掛かるものです。

どんな馬でも焦らずコツコツ地道に愛情を持って向き合って行って下さい。

 

令和8年8月

  長谷川 雄二

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