馬術(4)【~馬にたずさわる人全てが調教者~105】
前回の前方推進、後方推進は、馬に乗る上であなたに課せられた永遠のテーマです。
馬を調教して行く上で起きる全ての問題は、推進すると言う事が正確に理解され、馬に伝える為の動作が確実に出来ていれば最も少ない時間とリスクで問題を解決する事が出来るからです。
馬を前に動かす事が出来て初めて、馬をハミで捕らえる事が出来るのです。
その状態になると、馬を動かす為の原動力である後肢のパワーが馬体全体をひとつにまとめ、前後、左右に馬体の形態を変化させる事が可能になるのです。
この形態の変化こそが馬術に要求されるあらゆる動きを可能にするのです。
・前方推進してハミに出現した力を騎手はしっかり上体で受け止めます。
・力の循環の構えを使い安定したリズムの良い動きを作ります。
・後方推進を使って停止から後退一歩ずつ確実に後退させる。
・停止から、または後退から発進する事により前後の柔軟性を強化させることで前後のしなりが安定してスムーズになります。
・右内方姿勢、左内方姿勢の切り替えを繰り返し行うことで左右の柔軟性が強化させることで左右のしなりも安定してスムーズになります。
常に推進が何時でも効かせられる状態であれば上記の前後、左右の柔軟運動が可能となり、前後、左右のしなりを常に保って運動する事が出来るのです。
後は指示する動き、求める運動内容の扶助を発信して行けば良いのです。
令和7年6月
長谷川 雄二
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