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馬術入門(34)【~馬にたずさわる人全てが調教者~92】

長谷川雄二

2024/5/2

入門32章で説明した肩内からの前肢旋回、斜め横歩(レッグイールディング)、斜め横歩の角度変換までがスムーズに出来るようであれば次のステップに進みます。

 

次は、腰内です。

 

これは、前後のシナリを維持したまま左右のシナリを作らなければなりません。

馬にとっては難易度の高い苦しい動きになります。

ですから騎乗者はしっかり内方姿勢を維持し強い推進ができなければなりません。

 

隅角を利用して巻き乗りをした後、前駆が蹄跡に戻るタイミングを利用して腰内に入ります。

肩内同様3m程度の小さな後肢旋回に近い巻き乗りを内方の脚を壁として外方の脚を強く後肢に働き掛けしっかり踏み込ませます。

シナリを絶対に崩さないようにしながら坐骨でハミに向かって真っ直ぐ強く推進します。

腰内では、内方の顎の譲りを保持しなければならないので内方の肘から拳はけして位置を変えないで下さい。

手の平を上に向け顎の譲りを維持する為の小さな動きだけです。

同じ位置でのわずかな力の強弱だけです。

 

訓練の初めは、特に馬が動き易い状態を演出してあげる必要がある為、肩内とは逆に外方の肘も拳も軽くして前に出しハミを開放してあげる必要があります。

この時点では前駆は多少内にシナッテいてもかまいません。

何回か繰り返している内に馬が楽に出来るようになって来たら徐々に外方の肘を元の位置に戻して外方のハミの受け止めを安定させます。

両拳を軽くしても態勢が崩れないようなら小さな巻き乗りから蹄跡に入ったら前躯は蹄跡に沿って真っ直ぐに保ち後躯を内にしたしっかりとした腰内の姿勢に入ります。

常歩で蹄跡行進をしながら直線入る手前の隅角からスムーズに腰内に入れるようなら短蹄跡の中央線を利用して直行進から右腰内→直行進→左腰内と左右切り替えの移行がスムーズになるまで何回か繰り返し行います。

 

上手くできるようになりましたら、両肘と両脇を止め前方に壁を作りながら外方脚を強く使用して馬を内方側真横へ動くように誘導します。

拳の位置を変えないようにしながら内方の拳の手の平を上に向けわずかに移動方向へ開き進行方向を示します。

最大でも5歩程度にして下さい。

あくまでも脚の使用による横移動です。拳はじっとです。

けして拳を進行方向へ振らないようにしてできなければなりません。

 

続きは次回に

 

令和6年5月

      長谷川 雄二

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